関節内で骨や軟骨のかけらがはがれ落ちて、動き回る状態。かけらがねずみのように関節内を転がり動くのを感じる場合もあるため、俗に関節ねずみと呼ばれている。症状が必ず現れるわけではないが、関節の間にかけらが入り込むと、激しい痛みや動きの制限などが生じる。原因となる疾患には、骨軟骨(こつなんこつ)骨折、離断性骨軟骨炎、滑膜性骨軟骨腫症、変形性関節症などがある。骨軟骨骨折で関節の一部が欠けたもの、離断性骨軟骨炎によって壊死(えし)した軟骨の一部がはがれ落ちたもの、滑膜性骨軟骨腫症によって骨や軟骨に変化した組織がはがれ落ちたもの、変形性関節症によってできた骨棘(こつきょく)という骨のとげが欠けたものなどが関節遊離体となる。骨のかけらが小さく関節にとって不要な場合は、関節鏡による除去手術を行うのが一般的である。関節を酷使するスポーツ選手にも多く見られ、ひじやひざ、足首などに発症する。アメリカ大リーグ、ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手が、2015年10月20日、右ひじに生じた関節遊離体の除去手術を受けた。