ワクチンの接種などにより、ある集団の一定割合の人がウイルスなどの微生物に対する免疫を有すること。この状態が得られると、その集団の中に感染者が出ても、大流行が阻止される。その結果、免疫を持たない人への感染を防ぐことができる。2016年7月14日、イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドン公衆衛生大学院のニール・ファーガソン教授らが、集団免疫によって、ジカ熱の大流行が3年以内に終息する可能性が高いとする研究論文をアメリカ科学誌「サイエンス」に発表。同教授によれば、ジカウイルスの感染者の体内にはウイルスを消滅させる抗体が作られるため、再度感染することはなく、それによって未感染者が減ることから、流行のレベルが下がるという。また同教授らは、集団免疫によってジカウイルスの次の大流行を10年以上先延ばしできる可能性があることも指摘した。