肺の肺胞と肺胞をつなぐ組織である間質に炎症が生じる病気。炎症が進行すると、組織が線維化し、間質は硬く、厚くなる。このため、肺全体の弾力性が失われて、膨らみにくくなり、呼吸機能が低下する。原因はチリやカビ、ペットの毛の慢性的な吸引、病院で処方された薬剤、放射線、あるいは膠原病(こうげんびょう)の合併症など。原因がある程度特定できる間質性肺炎に対して、原因が不明なものは特発性間質性肺炎と呼ぶ。主な症状は、空咳(からせき)と息切れで、進行すると布団の上げ下ろしなどの動作でも息切れが起こる。さらに進行して線維化成分が固まりになると、その部分は肺として機能しなくなり、日常生活に支障をきたすような呼吸不全に陥る。空咳などの症状から呼吸不全にまで進行するには数年かかるが、急速に呼吸不全が進行する場合もある。治療には副腎皮質ステロイド剤と免疫抑制剤のほか、肺の組織の線維化に対処する抗線維化剤などが使用される。また、肺の機能が低下し、酸素を体内に十分に取り込めない低酸素血症がみられるようになると、酸素ボンベの携行などによる酸素投与が行われる。