田畑や牧場などで野生動物の侵入、家畜の脱出を防ぐため、接触時に電気刺激を発生させる柵。電気牧柵、電柵などとも呼ばれる。田畑などの周囲に電線を張り巡らせ、電源の一端を電線に、もう一端を接地させておく。動物などがこの電線に触れると、その体と地中を通って高圧の電流が流れる仕組み。電気ショックによる痛みに加え、触れると危険だと動物が学習して避けるようになる心理的効果によって、動物の通過を防ぐ。比較的安価に設置できることから、イノシシやシカなどによる農作物被害の防止策として広がっており、一部の自治体では設置に補助金を出している。人の感電を防ぐため、立ち入りが容易な場所で電圧30ボルト以上の電源から電流を供給する場合には、(1)人体に影響のない程度に電流を制御する装置の使用、(2)漏電遮断器の設置、(3)危険を示す表示、が電気事業法に基づく法令で義務付けられている。2015年7月19日、静岡県西伊豆町で電気柵との接触による感電事故が発生し、2人が死亡、5人が負傷。この事故では設置者が漏電防止などの安全対策を取っていなかったと報じられている。