エアコンや冷蔵庫の冷媒などに使用されるフルオロカーボン(フロン)のうち、オゾン層を破壊しないタイプの代替フロンに対する規制。フロンにはいくつかの種類があるが、その中で塩素、フッ素、炭素の化合物であるクロロフルオロカーボン(CFC)はオゾン層を破壊して生態系に悪影響を与えることがわかったため、国連環境計画(UNEP)が中心となって策定された1987年のモントリオール議定書で、特定フロンとして国際的に生産、輸入が規制され、96年に全面的に製造禁止となった。そこで、CFCの代替物質として開発されたのが、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)やハイドロフルオロカーボン(HFC)などの代替フロン。HCFCはCFCよりも影響が小さいもののオゾン層を破壊する作用を持つため、2020年には全廃することが決められている。一方、HFCはオゾン層を破壊しないためフロン全廃の対象とはなっていないが、二酸化炭素の数百~数万倍以上の温室効果があることから、1997年の第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)で採択された京都議定書で削減対象となった。2016年5月に富山市で開催されたG7環境相会合で、HFCの段階的な削減について同年中の合意を目指す共同声明が採択された。