公立高等学校の授業料無償化に伴って2010年4月から始まった、高校の授業料の一部を国が支援する制度。制度開始当初は、受給のための申請書の提出は原則不要で、所得制限などの条件もなかったが、13年11月に改正高校無償化法が可決、成立し、14年4月から新制度が開始。国公私立を問わず、市町村民税所得割額が30万4200円(年収約910万円程度)未満の世帯の生徒を対象に支給されることとなった。ただし、高校等をすでに卒業または修了した者、在学期間が通算36カ月を超えた者、科目履修生、聴講生などは対象とならない。支給限度額は、公立の場合、全日制が月額9900円、定時制が月額2700円、通信制が月額520円。私立の場合は全日制・定時制・通信制とも月額9900円だが、年収に応じて最大2.5倍まで加算される。就学支援金を受けるには、生徒が受給資格認定申請書や、市町村民税所得割額が確認できる課税証明書などの書類を国、都道府県や学校法人などの学校設置者に提出する必要がある。申請を受けた学校設置者は、都道府県(国立の場合は国)に申請書を提出。支援金は申請に基づいて国から都道府県(国立の場合は学校設置者)に、都道府県から学校設置者に支給される。学校設置者は、生徒に代わり、支給された支援金を授業料に充てて相殺する仕組みとなっているため、生徒に直接支給されることはない。同制度に関しては、三重県伊賀市の株式会社立ウィッツ青山学園高校が、在学していない生徒などの就学支援金を不正受給した問題が15年12月に発覚。これを受け、文部科学省では16年度から申請書に記載内容が事実であることを確認する欄を設けた。