無性に氷を食べたい衝動にかられ、大量に食べてしまう病気。食用ではないものを食べたくなる異食症(異味症、異嗜症〈いししょう〉)の代表的な症状の一つとされる。異食症では、氷のほかに土や紙、爪、チョークなどを食べたくなるケースがある。氷食症のはっきりした原因は特定されていないが、体内の鉄分が不足して赤血球が減少、機能低下する鉄欠乏性貧血によって起こることが確認されており、妊婦や若い女性に多い。このほか、精神疾患や寄生虫感染などでも起こることがある。1日に冷凍庫の製氷皿1枚分以上の氷を食べる場合には氷食症の可能性が高いといわれ、血液検査で鉄欠乏と診断されれば、鉄分を補給する錠剤の服用などによる治療が行われる。