犯罪で得た違法収益を、第三者の運び屋を通じて海外口座に振り込む手口。マネーロンダリング(資金洗浄)の一種。「ミュール」とは馬とロバを掛け合わせた動物「ラバ」の英語名で、「マネーミュール」で「違法収益の運び屋」を意味する。インターネットバンキングに対する不正アクセス、なりすまし詐欺などの犯罪で入手した金を送金する際に、犯人が警察や金を盗んだ被害者から特定されることのないように、運び屋の口座を利用する。運び屋となるのは、「外国に送金するだけで手数料がもらえる」などの求人広告メールの募集で集められ、違法な行為とは知らずに応じた第三者。その人の口座に金を振り込み、わずかな手数料を与えて指定先の口座に送金させる。銀行より本人確認が甘い海外送金サービスを使わせる点が特徴。海外では多発しているが、日本では2013年7月頃からマネーミュールの勧誘メールが増え始めた。運び屋となった者は、犯罪の認識があれば犯罪収益移転防止法違反に、犯罪の認識がない場合でも銀行法違反になる可能性がある。