偏った食事や運動不足、喫煙、飲酒などの生活習慣が発症と進行に関わる病気の総称。代表的な病気としては、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、肥満、悪性新生物(がん)、脳梗塞や脳出血などの脳卒中、狭心症や心筋梗塞などの心臓病などが挙げられる。多くの場合、ある時期に突然発症するのではなく、遺伝的要因や外的要因に生活習慣の積み重ねが加わった結果、発症に至る。発症の初期には自覚症状がない病気も多い。日本では1957年ごろから、がんや脳卒中、心臓病など、中高年以降の人が発症しやすい病気を総称して成人病と呼んでいた。そうした病気に対して、厚生省(当時)は早期発見・早期治療の二次予防を中心とした政策を取っていたが、生活習慣の改善によってある程度の予防が可能なことが明らかになってきたことから、96年12月に生活習慣病という新たな概念と名称を導入。生活習慣の改善による発症を予防する一次予防を重視する方針とした。そうした考えに基づき、同省では2000年から、生活習慣病に関する目標値を設定した「21世紀における国民健康づくり運動」(健康日本21)を実施し、13年からは新たに健康日本21(第2次)を開始した。ただ、厚生労働省の統計によると、13年の日本人の死因のうち約6割、11年度の医科診療医療費の約3割が生活習慣病に関連する病気によるもので、依然として高い割合を占めている。