法的トラブルに巻き込まれた際に、法律相談や訴訟などに要する弁護士費用を保険会社が負担する保険商品。日本では2000年に日本弁護士連合会(日弁連)と損害保険各社が協力し、交通事故や犯罪などの被害者を対象として、弁護士の紹介や、弁護士費用、裁判手続きの費用などの補償を行う保険(権利保護保険)を創設した。その後、損害保険や自動車保険の特約事項として普及が進み、15年5月時点で日弁連と提携する損保13社だけで契約数2000万件以上になった。補償内容は保険会社によって異なるが、年間数千円程度の保険料で最大300万円程度の保険金を受け取る商品が多い。13年に全国の簡易裁判所に起こされた交通事故の損害賠償請求訴訟は1万5428件で03年の約5倍となったが、その増加の背景には弁護士保険の普及があるといわれる。15年8月には、損保ジャパン日本興亜(本社・東京都新宿区)が遺産相続や離婚調停など日常の法的トラブルを対象とした弁護士保険を、企業向け団体保険の特約として同年12月に開始すると発表。同年9月には、ジャパン少額短期保険(本社・東京都千代田区)が個人賠償責任保険の特約として弁護士保険を発売し、痴漢に間違えられた際にすぐに弁護士に相談できる痴漢冤罪保険(痴漢冤罪ヘルプコール)を含んだ契約内容が話題になった。