公然と他者を侮辱して、相手の名誉を傷つける罪。刑法第231条で定められており、罰則は30日未満の拘留か1万円未満の科料で、刑法で定められている刑罰の中で最も軽い。同230条の名誉毀損罪と同じく「名誉に対する罪」に分類され、被害者の告訴が必要な親告罪であることも共通する。しかし、名誉毀損罪が具体的事例を示して他者の社会的評価を損ねた場合に適用されるのに対し、侮辱罪は事例を示さずに悪口を言っただけでも成立しうる点が異なる。つまり、不特定多数が見聞きできる状況で、「馬鹿」や「うざい」などと主観的な印象を口にしたケースなどが該当する。近年では、ブログやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などに不用意に書き込んだ言葉が問題とされることも多い。また、2013年5月には、いじめ問題に絡む捜査を行っていた兵庫県警によって、同級生に対し学校で悪口を言ったとされる少年3人が侮辱容疑で書類送検され、異例の適用として注目された。