男性社員の育児休業や、育児短時間勤務(育児時短)を妨げる、嫌みや嫌がらせなどの行為。父性を意味する「パタニティー(paternity)」と、いじめや嫌がらせを意味する「ハラスメント(harassment)」を合成した和製英語。「パタハラ」と略して使う場合もある。育児や家庭介護を行う労働者は、男女ともに育児・介護休業法によって、育児休業や短時間勤務などが保証されている。しかし、厚生労働省が2008年に行った「今後の仕事と家庭の両立支援に関する調査」では、男性の31.8%が育児休暇を取りたいと考えているのに対して、同省の「雇用均等基本調査」によると、12年度の男性の育児休業取得率は1.89%。前年度の2.63%から0.74ポイント減少し、1000人に4人も取得できていないことが分かった。こうした男性の育児参加を阻む一因に、職場などでのハラスメントがあると考えられており、その背景には、子育て世代と中高年世代の育児に対する意識のギャップなど、男性の育児参加に対する職場の理解や環境作りが進んでいないことが指摘されている。