風疹抗体検査は風疹ウイルスに対する免疫があるかどうかを調べる血液検査。抗体の検出には数種類の方法があるが、一般的に用いられる赤血球凝集抑制法(HI法)では、抗体価が8倍未満は免疫がない状態とされ、16倍未満は不十分と判断される。また、酵素抗体法(EIA法)の場合は、抗体価8.0未満が免疫不十分とされる。免疫が不十分な場合は風疹ワクチンの予防接種が勧められるが、抗体検査を行っていなくても予防接種を受けることは可能。ワクチンの効果を高めるため、2006年度からは就学前の児童が2回接種を受けることになったが、10代後半以上の人の中には1回しか接種を受けておらず、免疫が不十分なケースがある。東京都が14年度に都内の女性を対象に実施した風疹抗体検査では、20代で約38%、30代で約27%の人が免疫不十分だった。特に注意が必要なのは妊娠初期の女性で、風疹になるとウイルスが胎児にも感染し、出生後に心疾患や白内障、難聴などの後遺症が残る先天性風疹症候群を起こすおそれがある。15年10月に放送開始したドラマ「コウノドリ」(TBS系)でも妊娠中の風疹がテーマとして取り上げられており、厚生労働省が同ドラマとタイアップして予防接種の呼びかけなどを行っている。