蚊に刺されたことが原因で通常よりも重い症状が起こるアレルギー疾患。蚊刺(ぶんし)過敏症とも呼ばれる。蚊に刺されたときに起きる皮膚のかゆみは、吸血時に注入された唾液腺物質に対するアレルギー反応で、個人差はあるものの、通常は長くても数日程度で腫れやかゆみは治まる。しかし、蚊アレルギーがある人の場合は、刺された箇所に水疱や血疱ができ、ときには潰瘍や壊死に至ることもある。また、発熱や倦怠(けんたい)感、下痢などの全身症状や、肝臓や脾臓(ひぞう)、リンパ節などの腫れが起こるケースもある。重症化することはまれだが、死に至った例も報告されている。こうしたケースには、蚊の唾液腺物質に対する反応に加えて、ヘルペスウイルスの一種であるEBウイルスへの免疫反応が関与しているといわれており、慢性活動性EBウイルス感染症の可能性も考慮する必要がある。