カフェインによって引き起こされる中毒症状。コーヒー豆や茶葉、カカオ豆などに含まれるカフェインは中枢神経系に作用する性質を持ち、眠気覚ましや鎮痛などの目的で食品添加物として使用される。長期間にわたって摂取を続けると、カフェインを摂らないと不安などが起こる慢性カフェイン中毒になることがあるほか、高血圧のリスク上昇などが指摘されている。一度に大量に摂取した場合は、めまいや吐き気、体の震え、心拍数の増加など、急性の中毒症状が出るおそれがある。日本国内では1日の摂取許容量は定められていないが、海外では目安を設定している国もあり、例えばカナダ保健省は健康な成人の場合、1日あたりの最大摂取量を400ミリグラムとしている。経口摂取した際の致死量は3グラム程度とされ、アメリカではカフェインの過剰摂取による急性中毒で十数件の死亡例が報告されている。日本では、カフェイン入りの清涼飲料水であるエナジードリンクを日常的に多量飲用していた男性が2014年にカフェイン中毒と見られる症状で死亡していたことが15年12月に判明。厚生労働省によると国内でのカフェイン中毒死は過去10年間に報告されておらず、初めてのケースと見られる。