大麻に含まれる成分もしくはそれに類似した成分を用いた生薬療法のこと。大麻の種類を指すものではない。大麻に含まれる成分はカンナビノイドと呼ばれ、そのうち、テトラヒドロカンナビノール(THC)には多幸感などの精神作用や疼痛緩和、食欲増進効果があることが知られている。また、同じくカンナビノイドの一種であるカンナビジオール(CBD)には、疼痛緩和や抗不安、抗炎症、抗けいれんなどの作用があり、海外での臨床研究ではがん細胞の増殖を抑制する効果があることなども確認されている。世界的に合法化の動きが進んでおり、アメリカでは連邦法では禁止されているが、23州とワシントンD.C.では医療用の大麻は合法化されている。このほか、イスラエル、オランダ、カナダなどでも合法化されている。日本では、大麻取締法(1948年成立、最終改正99年)の規定によって大麻から製造された医薬品を用いることができず、臨床試験も禁じられている。一部に解禁を求める動きもあるが、厚生労働省では、大麻にはそもそも医療用と嗜好用の区別はなく、また医療用途の有効性に科学的根拠はなく実証されてもいない、一方で精神毒性や依存性については有害と評価されているとし、合法化する必要性も低いとしている。