主に中学校や高校で行われる、集団で長距離を歩く行事。生徒の体力や精神力の向上、団結力や郷土愛の養成などを目的として、全国の学校で行われている。陸上競技の競歩とは異なり、歩く速さを競うのではなく、最後まで歩き通すことが重視される。学校によっては強行遠足などとも呼ぶ。歩く距離は十数キロメートルのものから100キロメートル前後のものまでさまざま。中には24時間以上かけて行われるものもある。大正時代の1924年に第1回を実施した山梨県立甲府第一高校など、学校伝統の名物行事になっていることも多い。恩田陸の小説「夜のピクニック」(新潮社刊)で描かれた高校の「歩行祭」も、同氏の母校である茨城県立水戸第一高校の行事がモチーフ。青春の思い出作りなどとして親しまれる一方で、強歩中に生徒が体調を崩したり、交通事故に遭ったりするケースもあり、2015年10月に埼玉県立大宮高校が実施した強歩大会では2年生の女子生徒がコースで倒れて翌日死亡する事故が発生した。