確定拠出年金は、加入者が任意で掛け金を拠出して運用先を選び、その運用結果で受け取る額が変わる年金制度。自営業者などが加入する個人型と会社単位で加入する企業型の2種類があり、2001年に開始された。16年5月24日の衆議院本会議でその加入対象を拡大する改正法が成立した。改正されたのは主に個人型確定拠出年金で、従来は自営業者や企業独自の年金がない会社員などに限られていた加入対象を、専業主婦や公務員、すでに企業年金に加入している会社員に拡大。これにより新たに約2600万人が加入できるようになる。対象の拡大は17年1月1日から。掛け金の上限は専業主婦が年27万6000円、公務員が年14万4000円となる。また、従業員100人以下の中小企業でも企業型確定拠出年金に加入しやすくするため、手続きを大幅に簡素化した簡易型確定拠出年金を新設することも決められた。そのほか、加入者が異なる企業年金制度を持つ会社に転職した際に、過去の掛け金を移管できる仕組みも拡充した。一連の改革には、少子高齢化で公的年金の受給額が目減りすることが予想されるなか、老後資金を積み立てる選択肢を増やすねらいがある。