アルコール依存症患者の断酒を助ける治療薬。2013年5月、日本新薬(本社・京都市)が「アカンプロサートカルシウム」(商品名「レグテクト」)を発売した。配合成分が中枢神経系に作用し、患者によく見られるグルタミン酸作動性神経活動の興奮状態を抑制することで、飲酒に対する欲求自体を抑える働きを持つ。医師の処方に基づき、1回2錠を毎食後に服用する。アルコール依存症の治療を受けている患者は日本国内に約4万人いるとされ、回復には完全な断酒が必要となるが、飲酒の欲求を抑え込むことは簡単ではない。治療では、飲酒後に二日酔いのような不快な症状が現れる抗酒薬が用いられることもあるが、欲求自体を抑える薬は日本では初。同製品はもともと、ドイツの製薬会社が開発し、世界24カ国ですでに販売されており、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発の必要性が指摘されていた。