脱水症時に水分や塩分などを効率よく補給できるよう成分を調整した飲料。世界保健機関(WHO)が提唱する経口補水療法のガイドラインや、欧米の小児科学会などが定めた指針に基づいた組成になっており、一般的なスポーツ飲料と比べて塩分が多く糖分が少ない。そのため、熱中症時の発汗や、感染性腸炎などによる嘔吐(おうと)、下痢によって失われた水分と電解質を補給するのに適している。また、脱水症の初期段階にあるものの明らかな自覚症状がないかくれ脱水の予防にも有効。ただし、持病の治療などで医師からナトリウムやカリウムの摂取量を制限されている人は使用できない場合もある。大塚製薬工場(本社・徳島県鳴門市)の「OS-1」や明治(本社・東京都江東区)の「アクアサポート」などの製品が販売されており、ドラッグストアなどで購入できる。また、水1リットルに対して砂糖20~40グラム、塩3グラムの割合で混ぜることで、家庭でも簡易的な経口補水液の作成が可能。なお、家庭で作った場合には、雑菌の混入を防げないため、その日のうちに飲みきるようにしなくてはいけない。