苦痛や苦悩を緩和し、身体的、精神的、社会的、霊的に良い状態に導くこと。末期がんなど、治る見込みの無い患者の死の恐怖や苦痛を緩和するホスピス(緩和療法、または緩和療法を実施する施設)を背景として生まれたといわれている。日本では、2007年に日本スピリチュアルケア学会(Japan Society of Spiritual Care ; JSSC)が、人間は「からだ(body)」と「こころ(mind)」だけではなく、「スピリット(spirit 霊的なもの)」からなる、という理論に基づいて発足した。医療、宗教、福祉、教育、産業など、あらゆる領域でスピリチュアルケアによる問題解決を図る活動を行っている。同学会では認定プログラムに沿って、専門資格認定も実施している。また、14年4月からは、高野山大学(和歌山県伊都郡)が同学会と協力し、別科として、「スピリチュアルケアコース」を同大大阪サテライトキャンパス(大阪大学中之島センター内)で開講。仏教や密教の教え、心理療法などを加味して、子育てや看護、介護などの場面で、苦痛や苦悩の中にある人に寄り添ってケアをする人材の育成を始める。