厚生労働省が2000年3月から推進している「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」の一環として、03年に策定された睡眠に関する指針。健康日本21がキーワードとしている栄養・運動・休養のうち、睡眠が休養の大部分に関わることから、また、適切な睡眠による生活習慣病や睡眠時無呼吸症候群の予防のために策定された。正式名称は、「健康づくりのための睡眠指針」。03年3月に、8時間睡眠にこだわらない、睡眠薬代わりの寝酒は睡眠の質を悪くするなどの内容をまとめた「快適な睡眠のための7箇条」が示された。14年3月に、睡眠に関する10年間の科学的な蓄積を踏まえ、「睡眠12箇条」に改定された。新指針によると、一晩の睡眠時間は年をとるにつれ、20年ごとに30分程度減少するとして、10歳代前半までは8時間以上、25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間となり、必要以上に睡眠をとっても健康になるわけではないとしている。このほかに、若年世代は夜更かしを避けて、体内時計のリズムを保つよう務めること、勤労世代は睡眠を削って働き続けないよう心がけ、「寝だめ」に頼らずに必要な睡眠時間を確保すること、熟年世代は昼間に適度な運動を行うことで、安定した熟睡感を向上させることなど、若年・勤労・熟年の3世代別の睡眠に関する注意点やアドバイスが盛り込まれている。