難病患者への医療費助成の拡大を柱とする法律。2014年5月23日に成立。15年1月に施行される。正式名称は、「難病の患者に対する医療等に関する法律」。難病対策は、1972年に難病対策要綱が制定され、法に基づかない研究事業として医療費助成が行われていたが、同法により初めて法制化された。新制度では、対象となる疾患は年齢を問わず、(1)患者数が人口の0.1%程度以下、(2)発症の原因が不明、(3)効果的な治療方法が未確立、(4)生活面への長期にわたる支障がある、という四つの要素を満たし、診断基準が確立しているものが該当する。具体的な対象疾患は、新たに設立する第三者委員会で決定するとしており、新基準により、対象疾患はこれまでの56疾患(約78万人)から約300疾患(約150万人)に拡大するという。また、医療費の自己負担を3割から2割に引き下げる一方、軽症患者を対象から外し、これまで自己負担がなかった重症患者にも一定の負担を求める。負担限度額は、症状や所得によって異なるが、最高で月3万円以内となるよう変更。財源には消費税が充てられ、都道府県と国で負担を2分する。さらに、都道府県ごとに拠点病院を置き、指定医が症状を診断。臨床データを集約し、発症のメカニズムや診断、治療法に関する調査、研究を進める。