悪質運転による死傷事故の罰則を強化した新法。オートバイや原動機付きバイクの事故にも適用される。2013年11月20日、参議院本会議で可決、成立。14年5月までに施行される。現行の刑法では、危険運転致死傷罪(最高刑・懲役20年)の立証が難しく、飲酒運転などによる多くの悪質な事故が自動車運転過失致死傷罪(同・懲役7年)の適用となることから、量刑の差が大きすぎるとして、遺族らによって見直しが求められていた。新法では、自動車事故に関連する規定を刑法から分離、危険運転致死傷罪の適用要件を緩和し、量刑を重くした。具体的には、酒や薬物、発作を伴う特定の病気の影響で「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転」した場合、死亡事故で15年以下、負傷事故で12年以下の懲役とする条文を新設した。そのほか、飲酒や薬物摂取による事故を起こして逃走し、酒や薬物の影響が弱まってから検挙されることで罪を軽減できる「逃げ得」を防ぐために、「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」(同・懲役12年)を新設。無免許運転での人身事故の厳罰化や、通行禁止道路の高速走行(高速道路の逆走など)を新たな適用対象とすることなども盛り込まれた。