大学などに在学中の学生が、実際の企業などで一定期間働く就業体験プログラムのこと。英語表記を略した言葉で、「コープ教育」「COOP教育」などとも表記される。学生の実践的能力の養成を目的に、学内の授業と学外の就業体験を交互に受けるカリキュラムとして、20世紀初頭にアメリカのシンシナティ大学で始まり、その後、欧米の大学などで広まった。類似の制度としてはインターンシップの存在がよく知られるが、企業主導で管理、運営される場合が多いインターンシップとは異なり、コーオプ教育では大学などの教育機関が主体となって受け入れ先の企業を選び、勤務内容や事前準備などのプログラムをつくる。また、一般的なインターンシップと比べて実施期間が長いケースが多く、1~3カ月程度、就業体験が行われる。インターンシップでは基本的に無報酬だが、コーオプ教育では就業先から学生に賃金が支払われることが多く、教育機関側も単位として認定する。近年、普及が進んできたインターンシップでは、期間が短いため学生が有意義な体験をしづらい、一部の企業が学生を無給の労働力としかみなしていない、などの問題が指摘されることがあり、そうした問題を解決する方法の一つとしてコーオプ教育が注目されるようになった。国内では、立命館大学や京都産業大学などが実施しているほか、東京工科大学では2015年度から、工学部でコーオプ教育を必修科目にするとしている。