脳の発育不全によって、同年齢の子どもに比べて、頭部が極端に小さい状態。多くの場合、知能の発育や運動発達の遅れ、けいれんなどを伴う。原因は、胎内ウイルス感染、染色体異常、遷延性仮死状態、周産期の低酸素症、乳児期の脳疾患の後遺症、胎内放射線被曝(ひばく)など、さまざまなものがある。有効な治療法がないため、治療は対症療法が中心となる。蚊が媒介し、軽度の発熱や発疹などの症状が現れるジカ熱という感染症が、2015年5月以降、ブラジルなどの中南米を中心に感染が拡大しており、ブラジル保健省によると、同年10月から16年1月16日までに、小頭症の疑いがあるとの国内報告件数が3893件と急増。死亡した新生児や胎児からジカウイルスが検出されたことから、小頭症との関連性が疑われている。厚生労働省や外務省は、妊娠中の女性に流行地域への渡航を控えるよう注意を呼びかけている。