自宅に届けられた荷物を指定された住所に転送するだけで、1回数千円程度の報酬が得られるとうたうアルバイト詐欺。荷物転送とも呼ばれる。主な手口は、無料通信アプリのLINE(ライン)などのSNS(ソーシャル・ネットワーキングサービス)を使ってアルバイトを募集し、応募者から身分証明書などの個人情報を送らせて、勝手に格安スマホ業者と契約。応募者には届いた荷物を未開封のまま指定の住所に転送するよう指示し、端末を略取するもの。アルバイト料は振り込まれるが、転送した荷物は応募者名義で不正に契約されたスマホなどであり、解約するには違約金やスマホ端末代が払わなければならない。国民生活センターには、2015年11月頃から相談が寄せられるようになり、16年9月末時点で約130件に上っている。同センターでは、アルバイト応募者の名義で不正に契約されたスマホがオレオレ詐欺(振り込め詐欺)などの犯罪に用いられると応募者も捜査の対象となる可能性があり、携帯電話(スマホ)を不正に譲渡したとして携帯電話不正利用防止法(2005年施行)違反に問われる恐れもあることから、こうしたアルバイトには絶対に手を出さず、個人情報を安易に提供しないよう注意を呼びかけている。また、16年8月5日には、日本インターネットプロバイダー協会も、ウェブサイトに荷受け代行アルバイトへの注意を喚起する文書を掲載した。