紙巻きタバコに似せたステンレス製の棒に、液体入りのカートリッジを取り付け、電気の熱で液体を水蒸気にして吸うタバコの代用品。吸引すると作動し、棒の先端が発光ダイオード(LED)で火がついているように光り、本物のタバコを吸った気分になる。世界保健機関(WHO)によると、2004年に香港の企業によって開発された。世界的な嫌煙権運動や受動喫煙の害の指摘などから、煙を周囲にまき散らさず、熱で気化したニコチンを吸う電子タバコは欧米やカナダ、ブラジルなど世界各国に広まった。一方、日本国内ではニコチンを使用した製品の販売は薬事法違反にあたるため、08年ごろからタバコに似た味やフルーツ味などのフレーバーを使った製品が製造され、1万~2万円で販売された。ニコチンやタールによる健康への心配がないことから、禁煙や節煙につながると愛好者が増えたが、10年に国民生活センターの調査で、市販されている45商品のうち、15商品から微量のニコチンが検出され、該当する製品は販売中止となった。