貧困状態に置かれている子どものこと。2012年10月19日に、貧困に苦しむ子どもたちの深刻な現状を取材した、NHKの特報首都圏「チャイルド・プア~急増 苦しむ子どもたち~」が放映され大きな反響を呼んだ。同番組は14年3月に、「チャイルド・プア~社会を蝕む子どもの貧困~」(TOブックス)として書籍化された。同年7月15日、厚生労働省は13年の国民生活基礎調査を公表。12年時点で、平均的な所得の半分(122万円)以下の世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合を示す子どもの貧困率が、前回の09年の調査を0.6ポイント上回り、16.3%であることがわかった。調査結果は、過去最悪を更新し、6人に1人が生活苦のなかにいることになる。厚生労働省は悪化した原因について、デフレが進行した経済状況下で、子育て世帯の所得減少が大きく影響したとしている。政府は、14年1月に施行された子どもの貧困対策法に基づき、子どもの貧困対策大綱案を作成。段階的な幼児教育の無償化、学校を拠点とした福祉機関との連携などによる学習支援、返済の必要のない給付型奨学金の創設などを盛り込んだ原案をまとめ、8月に閣議決定の予定。