後天性免疫不全症候群(AIDS/エイズ)を引き起こすHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染を調べる検査。医療機関や保健所等で行われる一般的な検査の場合、5ミリリットルほどの血液を採取して、HIVの抗体の有無で感染を判定する。ただし、HIVは、感染してから血液中に抗体ができるまで6~8週間かかるため、感染後3カ月以上が経過しないと、確実な結果が出せないおそれがある。検査には、通常検査と即日(迅速)検査の2種がある。通常検査も即日検査も、基本的な流れは同様で、まず、HIV抗体に高感度で反応する「スクリーニング検査」で陰性(非感染)か陽性(感染)かをふるい分け、陽性と判定された場合は、「偽陽性」(非感染だが感染と判定された状態)か、真の陽性かを判定するための「確認検査」を行う。通常検査では、あらかじめスクリーニング検査と確認検査にかかる日数を想定しているため、陰性陽性にかかわらず、1~2週間後に結果が告知される。即日検査の場合は、専用の迅速なスクリーニング検査法を用いるため、陰性であればその日のうちに結果を知ることができるが、陽性だった場合はやはり確認検査が必要となるのに加え、通常検査に比べて、当初のスクリーニングにおける偽陽性の確率が約3倍高くなる。検査は全国のほとんどの保健所や自治体が設けている特設検査施設で、原則として無料、匿名で受けることができる。