糞に含まれるウイルスによって感染する、豚とイノシシ特有の急性伝染病。家畜伝染病予防法により、届出伝染病に指定されている。感染すると、食欲不振や下痢を起こす。生後10日までの子豚は高確率で死亡するが、成長した豚は発症しても回復するか、発症しない場合が多い。ワクチンを接種した母豚の乳を子豚に飲ませると、発症を防いだり、症状を軽くしたりできる。人には感染せず、仮に感染した豚の肉を食べたとしても罹患しない。2005年から08年に中国や韓国、ベトナムなどで流行し、10年以降には中国各地で大規模な流行があり、被害が深刻化している。アメリカでは13年に発生が確認され、その後、急速に拡大。カナダでも14年に入って発生が確認された。日本国内では1990年代の流行と、その後の散発的な発生を経て、2007年以降は1件も確認されていなかったが、13年10月に沖縄県、11月に茨城県で相次いで発生。直後から急速に全国に広がり、14年6月9日の時点で、38道県754農場で22万頭以上が死亡している。この国内外での流行によって、豚肉の卸売価格が2割以上高騰した。