正式名称は「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」で、2014年6月18日に成立。高齢化の進展に備えて、地域での医療、介護サービスを総合的に推進することを目的としている。医療分野では、医療機関の役割分担と連携の推進、および在宅医療・介護の推進に向け、消費税増税分を活用して新たな基金を都道府県に設置。また、地域での医療を効果的、効率的に提供できる体制を確保するため、医療機関が各自の医療機能を都道府県知事に報告して、都道府県が地域医療構想を定めることとした。介護サービスでは、15年4月から、特別養護老人ホームへの新たな入所要件を原則として要介護3以上に限定。介護の必要度が低い要支援1、2の人を対象とした訪問介護と通所介護は、17年度末までに、国から市町村の事業に移行する。介護サービスの自己負担は、年間の年金収入が280万円以上の人を対象に、15年8月から現行の1割を2割に引き上げ。所得が多い高齢者に応分の負担を求めた。さらに、低所得者向けの介護保険料の軽減制度を拡充。従来の軽減措置は、25%減、50%減の2段階だったが、15年4月から30%減、50%減、70%減の3段階となる。また、同法は、医療事故調査制度を初めて法制化。民間の第三者機関として「医療事故調査・支援センター」を設置し、診療中に予期しない死亡事故が起こった場合、医療機関は同センターに届け出て独自に調査を行い、その結果を遺族とセンターに報告。遺族は、結果に納得できない場合、同センターに調査を依頼することができる。対象となるのは、病院、診療所、歯科、助産施設など全国約18万カ所の医療機関で、15年10月から運用を開始する。