2015年9月9~11日に関東地方、東北地方で発生した豪雨。同月7日に発生して9日午前に愛知県に上陸し、その後、日本海に抜けて温帯低気圧になった台風18号と、日本の東海上を北上していた台風17号の影響で強い南東風が流れ込み、積乱雲が帯状に連なる線状降水帯が多数発生した。その結果、関東、東北で特に強い雨となり、7~11日の総降水量は栃木県日光市今市で647.5ミリ、宮城県丸森町筆甫で536.0ミリを記録。9月の月降水量平年値の2倍を超える大雨になった地域もあった。気象庁は10日に栃木県と茨城県に大雨特別警報を出し、11日には宮城県にも発令した。この豪雨により、10日に茨城県常総市で鬼怒川の堤防が約200メートルにわたって決壊し、同市を中心に最大40平方キロメートルが浸水。11日には宮城県大崎市で渋井川の堤防が決壊するなど、各地で水害が相次ぎ、栃木、茨城、宮城の3県で8人が死亡したほか、49人が負傷し、1万9000戸以上が浸水などの被害を受けた。茨城県常総市の堤防決壊では、あふれた水が堤防の外側の土手を徐々に削り取って決壊に至る越水破堤を推定原因とする調査結果を国土交通省関東地方整備局が明らかにした。