鶏の胸肉などに豊富に含まれるアミノ酸の一種。イミダゾール基を有するアミノ酸結合体の総称であり、正式名称はイミダゾールジペプチド。1900年に哺乳類の骨格筋中から発見され、その後、さまざまな脊椎動物の骨格筋にも含まれていることがわかった。特に、渡り鳥や回遊魚など、長時間の連続した運動を必要とする生物の骨格筋に多い。また、食肉では、鶏の胸肉に牛肉、豚肉の2~3倍のイミダペプチドが含まれていることが知られている。大阪市立大学や大阪市、食品メーカーなどが参加して2003年に始まった産官学連携の「疲労定量化および抗疲労医薬・食品開発プロジェクト」では、鶏胸肉から抽出したイミダペプチド成分が、人間の疲労予防、疲労回復に有効な物質と確認された。その後、同成分を使用したスポーツドリンクなどが発売され、テレビ番組などで紹介されることで注目を集めている。