多くの病原菌の殺菌に効果があるカルバペネム系抗生物質に耐性を持っている、肺炎桿菌(かんきん)や大腸菌などの腸内細菌の総称。肺炎や尿路感染症などの原因となることが多い。カルバペネム系抗生物質以外の系統の薬剤に対しても耐性を持っていることが多く、多剤耐性菌とも呼ばれる。感染症を引き起こすと切り札となる薬剤がないことから、治療が難しくなる。2009年に、広島で通常の検査法では検出が困難な、ステルス型という新型耐性菌も発見されている。14年3月18日、同年2月に国立病院機構大阪医療センター(大阪市中央区)から多剤耐性菌による院内感染の連絡を受けて調査をしていた大阪市保健所と国立感染症研究所が、複数の患者からCREの一種であるメタロβラクタマーゼ産生菌(MBL産生菌)が検出されたことを発表。MBL産生菌は、抗生物質を分解する能力を獲得した細菌で、同センターの患者からは肺炎桿菌など4種類以上が確認され、過去3年半の間に約110人が感染していたことがわかった。国内でこれだけ大量のMBL産生菌の感染が検出されたのは初めてだという。