防災や衛生、景観などの観点から地域住民の生活環境に影響を及ぼしかねない空き家に関する対策を進めるための法律。正式名称は「空家等対策の推進に関する特別措置法」で、2014年11月27日公布。同法では、放置すると倒壊する恐れがある空き家や衛生上著しく有害となる恐れがある空き家、適切な管理が行われずに著しく景観を損なっている空き家などを「特定空家等」と定義。市町村長は、空き家の実態を把握するために、市町村職員などに立ち入り調査をさせることができるとした。市町村長は調査結果に基づき、所有者に対して空き家の撤去や修繕を命令でき、所有者が従わない場合には、所有者に代わって市町村が撤去などを行う行政代執行をすることができる。これらの措置は公権力の行使を伴うため、国土交通大臣および総務大臣が判断基準や手続きに関するガイドラインを定めることとしている。また、特定空家等については、固定資産税の優遇措置の対象から外すことが平成27年度税制改正大綱に記載されている。同法は15年2月26日に一部が施行され、同日、対策を推進させるための基本指針を発表。空き家の判断基準として、年間を通して、人の出入りや、電気、ガス、水道の使用実績がないことを例示した。特定空家等への立ち入り調査、撤去、修繕命令を定めた同法9条2~5項、14条、16条は、同年5月26日に施行される。