自殺対策基本法は、自殺を個人的な問題としてのみとらえず、背景に社会的な要因があることを踏まえ、自殺対策を社会的な取り組みとして総合的に推進する法律。2006年6月に成立し、同年10月施行された。国と地方公共団体が自殺発生回避のための体制を整備し、自殺未遂者や自殺者の家族を支援する必要な施策を講じることが定められている。16年3月22日、同法の改正案が、衆議院本会議で全会一致により可決、成立。同年4月1日から施行された。改正法では、すべての都道府県と市区町村に対して、自殺者の年代や性別、職業などの傾向分析を踏まえて対策計画を作ることを義務付けたのが特徴。15年の自殺者は18年ぶりに2万5000人を下回ったが、人口10万人当たりの自殺者数は依然としてG7の中で最悪の水準にあるため、改正法では地域の実態に合ったきめ細かな対策を講じ、実効性を高めることを目的としている。また、子どもの自殺対策として、学校が保護者や地域住民と連携し、児童・生徒の心の健康の保ち方に関する教育や啓発に取り組むように、との努力規定を盛り込み、子どもがいじめや悩みを一人で抱え込ませないよう、SOSの示し方を教えることとした。