貧しい家庭の子どもの教育や、生活を支援するために必要な施策をまとめたもの。正式名称は「子供の貧困対策に関する大綱」。2014年1月に施行された「子どもの貧困対策の推進に関する法律(子どもの貧困対策法)」に基づいて内閣府、文部科学省、厚生労働省などにより策定され、同年8月29日に閣議決定された。大綱では、世代を超えた貧困の連鎖を断つことを基本方針とし、教育、生活、親の就労、経済の4分野を中心に約40項目を重点施策として打ち出している。教育分野では、福祉面の相談に応じるスクールソーシャルワーカーを現在の1500人から1万人にまで増員するほか、高校生への奨学給付金の充実、生活困窮世帯への学習支援などを実施。親の就労分野では、ひとり親世帯を中心に、保護者の就職や学び直しを支援する。また、平均的な所得の半分(12年時点で122万円)以下の世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合を示す子どもの貧困率や、生活保護世帯の子どもの大学進学率など25の指標を設定して、問題が改善されたかどうかを検証するとし、必要に応じて5年後に大綱を見直す。ただし、こうした指標に関しては具体的な数値目標を示すことは見送られたため、その実効性について疑問の声もある。