虐待や貧困、非行などの理由から家庭にいられない子どもに一時的な避難場所を提供する施設。日本で初めて開設されたのは、2004年に東京都で作られたシェルター「カリヨン子どもの家」。15年9月時点で全国に12カ所の施設がある。多くは弁護士などが立ち上げたNPOが運営を担い、施設にスタッフが常駐する。主に10代後半の少年少女を対象としており、児童相談所の一時保護所や児童養護施設に入所できない18歳以上の子どもや、低年齢層が多数を占める施設での生活になじめない子どもなどが入居する。シェルターでは入居した子どもたちに2~3カ月程度の衣食住を提供し、自立を支援。親権者との法的問題に対処するため、1人ひとりに担当弁護士をつけることもある。11年には厚生労働省が、すべての児童の健全な育成を目的にした児童福祉法上の自立援助ホームの一つと位置づけ、国や自治体から運営費などの補助を受けられるようになったが、「緊急避難」「個別対応」という位置づけのため、各シェルターの運営は不安定で企業や個人の寄付に頼っている。児童虐待の件数が増加するなか、必要性が高まっているといわれ、16年には大阪府や沖縄県でも開設が予定されている。