ノーベル賞6部門の一つで、医学や生理学の分野で優れた業績があった人を顕彰する賞。2016年10月3日、選考元であるスウェーデンのカロリンスカ医学研究所は、同年の賞を東京工業大学の大隅良典栄誉教授に授与すると発表した。授賞理由は、「オートファジー(自食作用)の仕組みの発見」。オートファジーとは、細胞が、自分自身のたんぱく質を分解して、新しいたんぱく質の材料として再利用する仕組み。細胞の中にある小器官や細胞質が古くなると膜に包まれ、分解酵素を持つリソソームという別の小器官と融合すると、アミノ酸に分解される。このアミノ酸が、新たなたんぱく質を合成するための栄養として再利用される。大隅栄誉教授は、酵母を用いた実験でこの仕組みを発見したことが評価された。授賞式は16年12月10日にストックホルムで開かれ、賞金800万スウェーデンクローナ(約9500万円)が大隅栄誉教授に贈られる。