女性が離婚後、再婚できない期間のこと。待婚期間ともいう。民法733条では、明治時代から続く規定として、「前婚の解消又は取消しの日から6箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない」とされていた。これは女性が再婚後に出産した場合、子どもの父親が前夫か現在の夫かをめぐる争いが生じるのを防ぐことが目的。同法772条では離婚後300日以内に生まれた子どもは前夫の子、再婚後200日経過後に生まれた子どもは現夫の子と推定すると定められており(嫡出推定)、重なる期間ができないよう再婚禁止期間の規定が設けられた。2011年、この規定は憲法が保障する「法の下の平等」に反するとして岡山県の女性が提訴。15年12月に最高裁判所が、100日を超える禁止期間については過剰な制約であるとして違憲と判断した。この憲法判断を受け、法務省は全国の自治体に対し、離婚後100日が過ぎた女性については婚姻届を受理するように通知した。また、法制面では、16年5月24日には衆議院本会議で、6月1日に参議院本会議で改正民法が可決し、成立。改正後は禁止期間が100日に短縮されたうえで、離婚時に妊娠していないか、離婚後の妊娠であることが医学的に証明された場合などには100日以内であっても禁止規定から除外される。なお、再婚禁止期間を法律で定めている国は世界的に珍しく、国連女性差別撤廃委員会は16年3月に、禁止期間の完全な廃止を勧告する文書を公表している。