ヨーロッパで伝統的に使用されてきた植物由来の生薬。ハーブは、日本では食品や芳香剤などの原料としてのイメージが強いが、ヨーロッパでは古代ギリシャの時代から病気の治療に利用されてきた歴史があり、特にドイツやフランスで薬用の研究が進んだ。現在は、有効性、品質管理などの面で欧州医薬品庁(EMA)が定めた基準を満たしたものが西洋ハーブ医薬品として認められている。科学的根拠をもとに効能効果が評価された生薬と、根拠がなくても医薬品として30年以上、EU圏内で15年以上使用された実績がある伝統生薬に分かれる。日本では長年、医薬品としての審査基準がなかったが、2007年3月に厚生労働省が医薬品承認申請ルールを制定。エスエス製薬(本社・東京都中央区)が申請した、赤ブドウ葉乾燥エキス混合物を有効成分とする足のむくみ改善薬「アンチスタックス」が11年1月に第1号の承認を取得し、13年6月に日本初の西洋ハーブ医薬品として発売された。