細菌によって、皮膚の表面にかゆみを伴う水ぶくれやかさぶたができる感染症。正式名称は伝染性膿痂疹。接触によって他の部位や他者に伝染し、飛び火のように広がることから、俗にこう呼ばれる。外傷や虫刺され、あせもなどによって生じた皮膚の損傷から、細菌が侵入することで発症する。原因菌は黄色ブドウ球菌の場合が多いが、溶血性連鎖球菌(溶連菌)によるケースもある。症状によって、水疱性膿痂疹と痂皮性膿痂疹に分けられ、前者は水ぶくれができるのが特徴。患部をかきむしったりすると、破れた水ぶくれから出た滲出液により、他の部位にも細菌が広がる。夏季に乳幼児がかかることが多いとされるが、暖房の普及などにより、近年では1年を通して見られる。一方、痂皮性膿痂疹は厚いかさぶたができるのが特徴で、成人に多い。アトピー性皮膚炎などと合併して発症することが多く、強い炎症を起こす。どちらも、手洗いや入浴によって皮膚を清潔な状態に保つことや、傷、虫刺されなどの早期治療が予防には重要。感染、発症した場合には、抗生物質の塗布、服用や、ステロイド剤、抗ヒスタミン剤の投与を行う。2013年5月に日本臨床皮膚科医会と日本小児皮膚科学会が公表した見解では、症状を悪化させたり、接触によって他者にうつしたりするおそれがあるとして、治るまでプールの利用は禁止すべきとされた。