善玉菌とは、人の腸内に生息する細菌のうち、人体に有益な働きを持つものの俗称。有用菌とも呼ばれる。一方の悪玉菌は、善玉菌とは反対に人体に有害な働きを持つ腸内細菌のことで有害菌とも呼ばれる。善玉菌には消化吸収の補助、ビタミンの合成、免疫機能の向上などの作用がある。ビフィズス菌や乳酸菌などが代表的な善玉菌として知られる。悪玉菌の代表格は大腸菌(有毒株)、ウエルシュ菌、ブドウ球菌などで、これらの細菌には腐敗物質や発がん物質の産生、免疫力の低下などの作用がある。人間の腸内にはこれらのほかに日和見菌と呼ばれる種類の細菌も存在し、腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスが善玉菌優位のときにはおとなしくしているものの、悪玉菌優位になると悪玉菌に加勢して有害な働きをしはじめる。腸内細菌のバランスは食事や睡眠、ストレスなどの影響によって変化し、健康状態に大きな影響を及ぼすと考えられている。また、年齢によってもバランスは変化し、乳児期には善玉菌が圧倒的に優位だが、大人と同じものを食べるようになるにつれて悪玉菌や日和見菌が増加。40代以降は悪玉菌が優位になる傾向があるといわれる。