眼疾患の一つで、アデノウイルスへの感染によって起こるウイルス性結膜炎。ウイルスが付着した手で目に触れたり、ウイルスに汚染されたタオルなどに触れたりすることによって感染する。感染力が強く、職場や学校などで集団発生することも多いため、俗に「はやり目」とも呼ばれる。感染者が幼稚園から大学までの学校に通っている場合は、学校保健安全法の規定により、感染の懸念がなくなるまで、7~10日程度の出席停止の措置がとられる。感染後1~2週間の潜伏期を経て発症し、結膜の充血やまぶたの浮腫、涙や目やにの量が増えるといった症状が見られる。耳の前のリンパ節が腫れ、発熱を伴うこともある。症状が強い場合には、結膜に偽膜という白い膜ができ、癒着を起こすことがある。通常、片方の目に発症し、数日後にもう一方の目にも症状が現れることが多い。発症から1~2週間後に、黒目(角膜)の表面に白い濁りが出て、かすみなどを感じることがある。濁りは自然に消えることが多いが、重症の場合はステロイド点眼薬を用いる。特別な治療法はなく、主に抗炎症剤を点眼する対症療法を行う。発症後、2~3週間で症状が治まる。夏場に多く見られる傾向があるが、2015年は秋以降も西日本を中心に流行が拡大しており、全国的な流行が警戒されている。