鉄道の車両に電気を供給する架線のつなぎ目部分で、2組の架線が並行した箇所。3~5キロメートルに1カ所程度設けられ、並行する架線にはそれぞれ別の変電所から送られた電気が流れている。こうして一定の間隔で電気の流れを区分けすることで、架線トラブル時に全区間が同時に停電するのを防ぐ。架線が並行する箇所は、通常の速度で通過すれば問題ないが、そこで一度停車してから再発進させようとすると、電圧差で強い電流が流れて架線とパンタグラフの間でショートが発生し、架線が溶けて切れるおそれがある。そのため原則は停車が禁じられているが、この現象による架線トラブルはたびたび発生しており、鉄道会社では自動列車制御装置(ATC ; automatic train control)による誘導や、運転士に注意を促す警告音の導入などで、エアセクション内での停車を避ける対策を進めている。2015年8月4日夜にJR京浜東北・根岸線の横浜~桜木町間で架線が切断して列車が立ち往生したトラブルでも、車両がエアセクション内で停車後、再び走り出したことが原因と考えられている。