街灯やネオン、イルミネーションなど、夜間の屋外照明の過剰な使用などによって、人の活動や自然環境に悪影響を与えること。「こうがい」と音読みすることもあるが、「公害」との混同を避けるために「ひかりがい」と呼ばれることが多い。1960年代ごろに、都市化の進展に伴う屋外照明の増加によって夜空が明るくなり、天文観測に悪影響を及ぼすようになったことが問題視されて、この概念が提唱された。人間の活動に関わるものでは、天文観測のほかに、強い光に対する不快感、住居内に光が差し込むことによる安眠妨害やプライバシーの侵害などが起こりうる。また、農作物や家畜の生育不良、野生動植物の生態への影響なども指摘されている。日本では環境庁(現環境省)が88年度から光害の全国調査の一環として、年に2回、各地の小学校などから夜空を観察するイベント「全国星空継続観察(スターウオッチング・ネットワーク)」を実施し、都市部の明るさを継続的に調査した(2012年度で終了)。また、1998年には、良好な照明環境をつくるための「光害対策ガイドライン」を作成、発表。目的や環境に応じた適切な明るさや範囲などの指針を示した。2014年12月時点で、光害に対して国による法規制は行われていないが、全国の地方自治体の中には独自に光害対策条例を設けている地域もある。