ノーベル賞6部門の一つで、医学や生理学の分野で功績があった人を顕彰する賞。2013年10月7日、選考元であるスウェーデンのカロリンスカ医学研究所は、同年の賞をアメリカのエール大学のジェームズ・ロスマン教授、カリフォルニア大学のランディ・シェクマン教授、スタンフォード大学のトーマス・スードフ教授の3人に授与すると発表した。授賞理由は「細胞における物質輸送の仕組み解明」。細胞の中で作られたホルモンやたんぱく質は、細胞内の小器官である小胞に蓄えられ、適切な場所に運ばれる。このメカニズムに異常が生じると、糖尿病や神経疾患、免疫不全などの病気につながる。シェクマン教授は、1970年代に酵母を使って小胞の輸送に関係する一連の遺伝子を発見。ロスマン教授は80~90年代に、小胞が目的の場所に適切に運ばれる仕組みを解明した。スードフ教授は90年代に、神経細胞間の伝達物質を小胞が適切なタイミングで放出する仕組みを解き明かした。これらの成果により、細胞活動の基本的なメカニズムが明らかになったことが高く評価された。授賞式は2013年12月10日にストックホルムで開かれ、賞金の800万スウェーデン・クローナ(約1億2000万円)は3人で分けられる。