心臓を取り巻く冠動脈の血管が細くなったり詰まったりして心臓に十分な血液が行き渡らなくなる症状。心臓は冠動脈と呼ばれる3本の主要な動脈に囲まれており、これらの動脈が心臓の筋肉に酸素や栄養を送り届けている。加齢や動脈硬化などが原因で冠動脈内側が狭くなり、血液量が不足することで心筋虚血となる。強いストレスや激しい運動によって、一時的に冠動脈の内側が狭くなることもある。血流の不足で胸部に痛みや圧迫感が出ると狭心症と診断される。また、狭心症や心筋梗塞など、冠動脈の血流悪化による心筋障害は虚血性心疾患と総称される。高齢者や糖尿病患者などでは、痛みなどの自覚症状がないまま心筋虚血が進行しているケースもある。皇后陛下は2015年6月ごろから胸部の痛みを訴えるようになり、心電図検査で心筋虚血が疑われたため、同年8月に精密検査を受けた。