学生などがアルバイトの勤務先で不当な働き方を強いられる、いわゆるブラックバイトの実態を把握するため、厚生労働省が実施した調査。正式名称は「大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査」。18~25歳の大学生、大学院生、短大生、専門学校生を対象に2015年8月27日から同年9月7日に実施し、週1日以上、3カ月以上のアルバイト経験がある1000人からの回答をまとめて同年11月9日に結果を公表した。勤務先の業種はコンビニエンスストア(15.5%)、学習塾(14.5%)、スーパーマーケット(11.4%)、居酒屋(11.3%)が多く、延べ1961件。そのうち、58.7%で賃金や労働時間など労働条件の書面での提示がなく、全体の19.1%は口頭でも説明されなかった。勤務先での主なトラブルの例(複数回答)では、「採用時に合意した以上のシフトを入れられた」(14.8%)、「一方的に急なシフト変更を命じられた」(14.6%)など勤務シフトに関わるトラブルのほか、「準備や片付けの時間に賃金が支払われなかった」(13.6%)、「1日に労働時間が6時間を超えても休憩時間がなかった」(8.8%)など、労働基準法違反の疑いがある例も目立った。回答者の60.5%が勤務先で労働条件を巡る何らかのトラブルがあったと答え、学業に支障が出ている実態も明らかになった。同省では調査結果を受け、学生アルバイトが多い業界団体などに法令順守や適正な労務管理などを求めるとしている。厚生労働省ホームページ「大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果について」で調査結果を閲覧できる。